高齢者の相手は慣れが必要

看護師として様々な患者の相手をしていく上で、一種の慣れが必要になるのが高齢者の相手をすることです。普段から自分の両親や祖父母の相手をしている場合には、それほど大きな障害を感じることもない場合もあります。しかし、耳が遠かったり、思考がゆっくりとしていたりといった身体機能の低下の傾向が強いことから、他の大人を相手にしているときとは違うリズムで話をしなければならなくなりがちなのです。相手の様子を見て、速やかに適切なリズムで話ができるようになるには訓練が必要であり、一朝一夕にして身に付けられる能力ではありません。しかし、それを体得することによって誰にでも好かれる看護師となることができます。

高齢者を相手にする際にもう一つ難しいのは、相手の考えを受け入れられない人も多いということです。自分が言いたいことを伝え、それに関して意見を求められたにもかかわらず、その受け答えをしても話を聞いてくれないということはよくあります。そういった状況に立たされても、根気よく話を聞いてあげることで満足してもらうという配慮が必要になることも多いのです。結果的に見て、少し話をしたかっただけということもよくあるため、相手がどうしたいのかということを柔軟に考えて対応しなければなりません。そのバリエーションの豊富さを高齢者を相手にするときには覚悟しなければなりません。そして、それを自然にこなせるようになろうという気概を持つことが、看護師にとって大切な心構えなのです。